橘花抄

  • 2015.09.24 Thursday
  • 11:50

今日は、久々にサスケおすすめの歴史小説をご紹介します。

ちょっとその前に、古いニュースで申し訳ありませんが、3ヶ月ほど前にピースの又吉さんが芸人で初めて芥川賞を受賞したと大きなニュースになったのを皆さんも覚えてられると思います。その時の記者会見に又吉さんと一緒に登場されたのが直木賞を受賞された東山彰良さんでした。
ただ、残念なことに又吉さんの陰に隠れて東山さんは、まだ、あまり注目されていません。
実は、この東山彰良さん、台湾出身の方で子どもの頃、日本に家族と一緒に移住され、現在は、福岡県の小郡市に住まわれています。青年期は、地元の西南学院大学に通われていたそうで、現在も小説を書かれるかたわら、母校の中国語講師もされているようです。
そして、ほとんどメディアでは注目されていませんが、この東山さんの母校、西南学院大学出身者の作家さんが、ここ最近、立て続けにこの直木賞を受賞されています。ただでさえ受賞者が少ない賞なのに地方大学から二人も出るということは稀なことです。
その東山さんと学校の先輩にあたる作家さんというのが、現在、歴史小説を中心に執筆活動をされている小倉生まれの葉室麟さんです。
サスケが葉室さんの本を読むきっかけになったのは、「無双の花」を本屋で見つけたことでした。以前から、立花宗茂のファンだった私は、この本の主人公が宗茂だと知ると無条件に本を手に取っていました。
そして、「無双の花」読了後、あらためて著者の葉室麟さんの経歴を調べてビックリ!
昨年映画化もされた『蜩ノ記』で2012年に直木賞もとられた地元出身の小説家さんだと知り、そこから少しずつ葉室さんの著作を読み始めました。

そんな訳で、まだまだ新参者の葉室ファンですが。そんなサスケが、今、ドハマりしている本がこの「橘花抄(きっかしょう」(著者:葉室麟 出版社:新潮文庫)です。
橘花抄の表紙
この小説の主人公は、筑前黒田藩に実際に仕えていた立花峰均(みねひろ)という五百石取りの侍とその想い人卯乃(うの)です。峰均は、黒田藩の重臣の一族である立花家の三男として生まれ、そして、一方の卯乃は、同じ黒田藩士の娘として生まれました。
物語は、この男女の苦難の生涯をたどるように進んでいきます。
(以下は、ネタバレ注意)
読了後の感想は、陳腐な表現ですが、まるで一本の精緻で艶やかな博多献上帯を見た時のような感動を覚えました。
この小説の縦糸には、様々な愛が織り込まれています。
男女の愛、親子の愛、師弟の愛、兄弟の愛、夫婦の愛、そして、その様な様々な愛の糸のなかでも一際太く、美しい糸が、当時の武士の根幹を成す臣下の愛、忠義です。
しかし、この忠義の糸は時として金糸のように光りを周囲に放つ為に、それ以外の全ての糸を色褪せさせてしまいます。
そして、この物語の横糸となるのが、日本の伝統美です。日本の四季が織り成す草花の美、峰均の実母りくが教える香道の美、さらに兄の重根(南方録の著者、立花実山)が教える茶道のわび・さびの美。宮本武蔵が開祖である二天一流を修めた峰均自身が目指す武士道の峻厳なる美です。
これら様々な美意識とその中で交わる多くの人々の行動や振る舞いが言葉以上に作中に登場する人物達の奥底の心情を伝えてくれます。
もっと伝えたいことがいっぱいある本なのですが、これ以上書くと逆にこの本を最初に読んだ時の感動が薄れそうなのでここらで止めておきます。
本当に良い小説なので、皆さんも書店で見つけたら一度手に取って読んでみて下さい。

以上。

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