海賊と呼ばれた男(上下巻)

  • 2015.02.10 Tuesday
  • 13:48
今日紹介する本は・・・

海賊と呼ばれた男(上下巻)です。

海賊と呼ばれた男(上下巻)

2013年の本屋大賞を取って、最近文庫本化されたものです。実は、これまで余りにも有名で、既に読んでいる方が多いと思うので、今更この本の紹介をするのも恥ずかしいと思っていました。

しかし、昨夜放送されたRKB毎日放送局(TBS系列福岡のローカル局)の番組「TEEN!TEEN! 」(番組司会:ピース・綾部さん、ピース・又吉さん 橋本環奈さん)で、この本がたまたま紹介されているのを観て、少しだけこの本の紹介文をブログに載せたいと思ったのです。

突如そう思った理由は、自分なりにこれまで大好きで読んできた歴史小説の読み方、注意点について一応書いておこうと思ったからです。

まず、この本の主人公は石油会社「国岡商店」の店主国岡鐵造です。主人公のモデルは、出光興産創業者の出光佐三さんです。ですから私が大好きな歴史小説の分類から言うと近代史に入ります。

さて、この本の著者の百田尚樹さんは、何冊ものベストセラーを書かれていて(さらに個人的にも色々とニュースになっていますが・・・笑い)、綿密な調査を元に様々なジャンルの小説を書かれている作家さんです。その百田さんがなぜ、この小説に架空の会社名や店主の名を使ったのでしょうか?

それは、明らかです。今でもこの小説の登場人物やそれに関わる人々がご存命だからです。実際、昨日見た番組「TEEN!TEEN!」で登場された山口毅さん(山口油屋福太郎の社長)は出光佐三さんと同じ学校(福翔高等学校:旧福岡市商業学校)の出身で同郷ということもあり、先輩である出光佐三さんを大変尊敬されています。さらに生前の出光佐三さんとのエピソードも披露していました。

番組で紹介されたようなお二人の素晴らしい関係なら良いのですが、小説の中で敵対関係にあった様な人の場合は、現実でも悪者にされてしまいます。そのため、実名を使わなかったのは著者の配慮です。

さらに、最近この小説と良く似たドラマが高視聴率を上げています。NHKの朝ドラ「マッサン」です。これもご存知のようにモデルはニッカウヰスキーの創業者竹鶴政孝さんです。小説と同じようにドラマの中では、会社の名前も主人公の名前も架空のものが使われています。これも、もちろんNHKさんの配慮です。しかし、この場合も小説と同じく名前を架空のモノにしたのは、関係者への配慮だけではありません。

それは、歴史小説の宿命的な問題です。その問題とは小説としての面白さを出すために作者はある程度想像や推測で物語を組み立て、脚色しなければならないということです。

そうです、物語として面白ければ面白いほど人気が出る一方で、モデルとなった人の人物像は多くの人に小説の中やドラマの中の主人公と同一として認知されることです。

特にこれまであまり脚光を浴びなかった歴史上の人物ほどそう思われてしまう傾向があります。だからこの小説の著者百田さんもドラマ「マッサン」のNHKさんもこれはあくまでも主人公のモデルは居るが架空の物語であることを実名を使わないことで強調しているのです。

ここまで書いて「そんな事は、今更言われなくてもわかっている」と思われている方がいらっしゃると思います。では、ここで質問です。

司馬遼太郎さんや吉川英治さんなどの著名な歴史小説家の影響をあなたは受けていないと言い切れますか?

最初に一番広く読まれた歴史小説の主人公のイメージを払拭することはやはり難しいことです。

坂本龍馬はやはり司馬遼太郎さんが描いた龍馬であり、宮本武蔵は同じく吉川英治さんが描いた宮本武蔵なんです。(※注、ちなみにお二人は、実名をそのまま使った歴史小説を多く書かれています。)

長くなりましたが、その事を改めて私に思い出させてくれたのがこの「海賊と呼ばれた男(上下巻)」でした。それほど面白い小説だったのです。

以上。

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