1対多数、そして多数対1

  • 2012.01.24 Tuesday
  • 11:31
関西に住んでいた時の話しです。

当時、宮城県で開催される学会に参加する事になり、ホテルから会場までの往復と、せっかく遠くまできたので学会が終わってからの休日に少し観光もしようと考え3日間レンタカーを借りることにしました。

その時、学会に一緒に行ったメンバーは、私と同期のK君、5歳ほど先輩のOさんの三人でした。

運転は、3人で交代して行なっていたのですが、学会の最終日の夜、その学会で出会った先輩の旧知の大学教授T先生もさそって、晩飯を食べに仙台市内に行くことになりました。

週末の夜ということで、車も比較的多く駐車場所もわからず、少し迷っていたのですが、やっと小さな立体駐車場を見つけました。

レンタカーを駐車場の入口に乗り入れるとすぐに駐車係の人が車を止めました。

係の人「ちょっと待って下さい!今、出庫の車が出ますから、後から来る車のために奥のほうに止めて待ていてくだい」と指示されました。

先輩は、指示されたように駐車場の奥まで車を動かし、しばらく待っていると出庫作業を終えた先ほどの係の人が来て・・・

係の人「ああ、すみません。この車は、車高が高すぎてウチの立体には入りませんから出て行ってくれますか!」

さすがに、日頃温厚な先輩Oさんもこの言葉に切れました冷や汗

Oさん「あんたプロだろ!駐車場の入り口で呼び止めた時になぜそのことを言わない!その時気づけば、待たされずにその間に他の駐車場に行けてただろう怒りマーク

一触即発の空気の中、優しい声で最年長のT先生が仲裁に入りました。

T先生「まあまあ、O君、私のことは良いから次を探しましょう。係の人も次は気をつけて下さいネ」と言って、その場を収めました。(さすがは、年の功!当時若輩者の私と同期のKはただ青い顔で黙っていました。)

その後、無事駐車場を見つけて4人で食事を始めたのですが、まだ納得できないで怒っていたのはO先輩でした。

その時、怒っているO先輩にT教授がかけた言葉を今も覚えています。

T教授「O君が怒る理由はよくわかるが、駐車係の人も人間だからミスもする。もう許してあげなさい。」

O先輩「しかし、先生、あの係員は主任と書かれた腕章をしていたから責任者ですよ!、いわば駐車場のプロがアレでは酷い。」

T教授「う〜ん、しかしね、私も教壇に立つからよく分かるんだが、あの係員の人は、君だけでなく、他のお客さんの車の出し入れや他の係員にも指示を出していたからしょうがないよ」

T教授「君にとっては、自分の車を誘導してくれる係員はたった1人しか居ないのだからミスをされて怒るのは当然だが、駐車場全体を見ている彼にとっては君は、大勢のお客の1人だからね。それに出庫の最中だったから余計に慌てたんだろうからそこのところは理解してあげないと。」

O先輩「それはわかりますが・・・しょんぼり

T教授「私もね、教壇に立つからわかるけど、私が授業する100人近い生徒にとっては、たった一人の先生なんだが、私の立場から見ると、一人の生徒はやっぱり100人の中の1人なんですよ。もちろん、それではダメだと思う時もあるんですけど、物理的にも心情的にも生徒全てに平等に接しようとすると数で割るしかないんです。」

T教授「だから生徒たちにも、私がミスをしたときには、その辺を理解して欲しいというのが本音なんですけどネ!」と笑って言いました。

人は1対多数、多数対1の関係では、その思いに開きがあるのは仕方がないということに気づいた瞬間でした。

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